こんばんは!
またまた日が空いてしまいました。
正直に言うと筆者は某ウイルスの影響を受け、現在、無職なので時間はたくさんあるのですが、自由と不安は紙一重ということもあり、どうしても文章が書けない日があります。
うあー。
こういう時はアメリカ文学がしみます。
学士卒程度の人間が英米文学について語って良いのかわからないのですが(先に言うと筆者の読書体験はかなり偏っています)、とても大雑把に言って、イギリス文学は比較的、思想に基づいて書かれていて、アメリカ文学は生活に基づいて書かれている、という印象を持っています。
例えば、イギリス文学で「貧乏」が描かれる時、だいたいは「なぜ貧乏か」という理由(人種、ジェンダー、階級、道徳を守っているか等)も描かれており、メッセージ性が強いという印象を受けます。まず「貧乏」とは何か?という問いがあって、それに基づいてシーン(細部)を想像して書いたのかな、と思わせる作品が多い。よく言えば哲学的、悪く言えば教訓じみている。
反対にアメリカ文学、特に戦後のアメリカ文学はシーン(細部)の方が全体のメッセージ性に勝っている作品が多い。お金がなくて、家具を売りに行こうとしたら、そうだガソリンも切れてた、どしよ。みたいな前後の文脈や理屈をすっ飛ばして、生活を感じさせる描写になる。だから、ストーリーは面白くなくても細部が面白い作品が多い。映画的とも言えるかもしれません。
その代表にJ.D.サリンジャーとチャールズ・ブコウスキーがいます。
サリンジャーは『ライ麦畑で捕まえて』が有名ですが、個人的には『ナイン・ストーリーズ』が圧倒的に好きです。ロック音楽のような短編集。つまり適当にページを開いて読んでも面白い。
ブコウスキーは『Post Office』が特にすごい。退屈な文章ではなく、日々に退屈している人が書いた文章。そしてたまーに垣間見える人間への鋭い洞察。 (調べたら、日本語版は絶版で中古でも9,566円するそうなので、代わりに『MONKEY vol.11 ともだちがいない!』をお勧めします。他の収録作も面白いよ。)
彼らに共通する姿勢として、ものごとをそのまま描いちゃうこと。もちろん、どの瞬間を切り取る(書く)かと言う選択の時点で作者の主観は入ってしまうんだけど、それに対して、変な解釈をつけない。辛かったら「辛い」と一言書いてしまう。「凍らせた心臓をアイスピックで砕こうとしたら綺麗に割れず傷だけが残った。そんな気分だった。」とか書かないんです。
これはなかなかできることじゃない。
だから、自分の毎日に誇りを持てない時に寄り添ってくれるのは圧倒的にアメリカ文学です。人生は大意だけじゃなくてシーン(詳細)もあるんだぜ、と教えてくれる。
そして、何とも言えない気分の時はそれを無理に言葉で言い表さず、「何とも言えない」気持ちのままでいいんだなと感じさせてくれます。
それはそのまま…両国の音楽や文化にも影響し…
長くなりそうなので、そろそろ終わります。笑
おやすみなさい。
ブコウスキー本人による朗読↓
日本語版の表紙がおしゃれ↓