秋の日記

いつだって秋。

資本主義の世界の中で

どうも!久々のブログ更新です!考えてる事は多いつもりなんだけどね!

最近、本をよく読んでいるのですがその中でも印象に残った本の紹介をば。

まずは

資本主義リアリズム

資本主義リアリズム

 

 こちらです。資本主義リアリズム!内容は要約できないほど濃いのですが、教育や医療(特にメンタルの)等、本来は無償であるべきのサービスさえ、資本主義に組み込まれていき、お金や経済的利益をベースにした考え方が「代わりのないもの(there is no alternative)」として蔓延してしまう時代が迫ってきている、みたいな感じかなー、という印象を受けました。

で、この資本主義リアリズムの中で消費されるもので一番身近なものって感情かな、と思いました。

SNSを見てるといろんな感情が錯綜しています。それ自体はいいんですけど、時々、とてもマイナスな(いわゆる病んだ)呟きに多くの「いいね」や「リツイート」がされているのを見かけます。そういうツイートを見ると私は何かモヤモヤした気持ちを抱えてしまっていたのですが、おそらくその原因は「病み方」がシェアされていくことに対する気持ち悪さだったのだと思います。

これはもしかしたら時代錯誤的な考え方かもしれませんが、「病み方」さえ多数にとってわかりやすい、共感しやすいフォームに揃えられていっている気がするんです。もちろん、同じ事で苦しんでいる人を見つけられる、それで自分の心が軽くなる、という様な作用はあるかもしれません。ただ、私には時々、そこに「Twitter語」の様なものが見える。ニヒリズム虚無主義)やシニシズム冷笑主義)までもいかない分かり易すぎる言葉が広がっている様に思う。

谷川俊太郎さんが「詩を書く」という本の中で、

詩を書く―なぜ私は詩をつくるか (詩の森文庫)

詩を書く―なぜ私は詩をつくるか (詩の森文庫)

 

「語彙の量に対して、語彙の質というものもあると私は思う」と述べていますが、「語彙の質」を保つことがどんどん難しくなっている時代の様な気がします。一つの言葉をどれだけ自分の言葉として落とし込んで、責任を持って発するか。自分も含めて、現代の人が苦手な作業ではないでしょうか。

だって、みんなが同じものを見ているという保証はないのだもの。

言葉は本来、勝手です。

谷川さんは現代の詩人ですが1931年生まれで戦前・戦中・戦後と世の中が大きく変わっていく時代を生きてます。きっと新しい言葉もたくさん生まれてきたはずです。その彼が上記の様な発言をしているのはとても興味深いことではないでしょうか。

最後に、私がこの人は自分の言葉で話してるな〜という人を2人紹介して終わります。

1人は甲本ヒロトさん。


リンダリンダ THE BLUE HEARTS / ザ・ブルーハーツ

テレビで「テレビにも映らない」という歌詞を足しちゃうところとか格好いいです。

そして、同じくらいかっこいいのが

www.youtube.com

江頭さん笑笑。この動画ではまあ喋っていないんですけど。この人は語彙の量も質もない様な気がしますが、いつも自分の言葉を喋っている点で尊敬しています。芸というより存在に笑ってしまう。

まあ、私も若いのでこれからではあるのですが、なるべく自分の言葉を喋っていきたいです。

ひいてはそれがアンチ資本主義リアリズムになるんじゃないかな。

では、良い日曜日を〜。