秋の日記

いつだって秋。

変態の哲学

こんばんは!

先日、強烈な本を読みました。

澁澤龍彦さんの快楽主義の哲学です。

快楽主義の哲学 (文春文庫)

快楽主義の哲学 (文春文庫)

 

 この本は1965年(55年前!)に単行本が出版されており、また「哲学」と言う言葉もタイトルにも含まれているのですが、内容としては難しくなく、タモリさんの番組を見てる様なテンションで読めると思います。

また最初は、幸福は不幸を限界まで取り除いた受け身なものだけど、快楽は自ら感じる主体的なものだから快楽を追求するべきだ!みたいなことを真面目に言っているのですが、中盤に「性的快楽の追求」と言う怪しげな章があり、その見出しとして「量より質」なんて書かれると話はどんどん深夜ラジオになっていきます。

ただ、この本の面白いところは書かれた時代を鑑みると同性愛への嫌悪であったり、女性別紙の発言が比較的少ないことです。どう見てもポリティカルコレクトネスを重視しそうな作者ではないにも関わらず(マルキ・ド・サドの翻訳で有罪になっています)、差別的な発言は驚くほど少ない。

また、発言自体は皮肉が効いているものの、自分を偉く見せようと言う雰囲気が微塵もありません。きっと澁澤さんはポリコレや自己顕示を超えたある種本物の変態だったのだと思います。

放送の自主規制が年々厳しくなる今日この頃ですが、

正しさを求めることで救われるものが一方で、快楽の研究者である「変態」に救われる人もきっといるのではないでしょうか。

 

では、ごきげんよう