こんばんは!
だいぶ更新が滞ってしまいました!けど、今日は書きます。
なぜかといえばピナ・バウシュを見たからです。自分のためにも書きたいと思います。
この作品はベルギーの映画監督Chantal Akermanさんがピナのツアーを追って作ったドキュメンタリーです。しかし、「困難を乗り越える」「公演を成功させる」といったストーリはなく、ただただChantal Akermanさんがピナを見て受けた衝撃や言葉にできない感情をそのまま映像としてコラージュした作品じゃないかな、と私は思いました。
しかし、そのコラージュこそがピナという人、また彼女が率いるダンスカンパニーの存在を見ている人に強烈に体験させます。
舞台上だけでなくバックルール(楽屋?)にも漂うタバコの煙とメランコリー、アンニュイ、長い訓練を受け鍛え上げられているはずなのにあまりにも剥き出しで繊細な体のダンサー達、反復される動作、分かり合えなさ、性、少しのユーモア…
これはきっとピナのドキュメンタリーであると同時に、ピナに出会った監督のドキュメンタリーでもある思います。それはすごく個人的で、断片的で、美しいのに少し心がキュッとなる。
なぜかとてもピナに会いたくなります。
監督に「将来の展望は?(How do you see your future?)」と聞かれた時、
ピナはうつむいて「わからない(I don't know)」「世界にはあまりにも大きな問題があって、その質問を自問自答することさえ躊躇われるけど」とことわった上で、
「たくさんの強さと愛(I wish, I hope a lot of strength and love)」
と答えてます。
あまりにも静かに語られたその言葉は、
彼女の作品と同じくらい、切なくて綺麗だと思いました。
それではみなさん、
おやすみなさい〜